必見、不動産投資の活用術!

その成長を支えているのは、的確なマーケテイングカです。
第2の類型が、東急リバブル(不動産伸介、販売受託)、エイブル(賃貸住宅の仲介)、アパマンショップネットワーク(賃貸住宅の伸介)、センチュリー21 ・ジャパン(不動産伸介)といった不動産の伸介を事業の中心とする企業です。
不動産という資産を保有することで利益を上げるのではなく、強力なネットワークによる情報力を武器にしている点が特色です。
そして第3の類型となるのが、レーサムリサーチ、パシフィックマネジメント、ケネディ・ウイルソン・ジャパンといった不動産投資ビジネスを機軸に据える企業です。
ここに名前を挙げたのは比較的新しい企業群ですが、不動産投資ビジネスの分野には、三井不動産、三菱地所、東急不動産、東京建物、野村不動産などの大手企業も積極的に取り組んで、実績を上げています。
不動産投資ビジネスは株式や債券に投資するのと同様に、不動産を一つの投資対象ととらえて、不動産投資によって得られる利益、キャッシュフロー(資金収支)を最大限にすることをめざすビジネスです。
不動産投資ビジネスで利益を上げるためには、まず投資した不動産が生み出す毎年の利益、キャッシュフローを増やす必要があります。
賃貸オフィスビルの投資であれば、賃料収入を増やすために何をすればよいか、管理費用を削減するにはどうしたらよいかを、具体的に検討する必要があります。
単純に、不確実な不動産の値上がり益を期待することは許されません。
また、あくまで投資ですから、最終的には不動産を売却して、投資した元本(投資資金)を回収することも考えておかねばなりません。
そうなると、最後に高く売却するために何をすればよいかも検討しておく必要が生じます。
土地保有や地価上昇にこだわらない不動産投資の利益、キャッシュフローを最大化するためには、実物不動産の投資だけでなく、投資資金の有利な調達方法についても同時に考えておく必要があります。
このため不動産投資ビジネスでは、必然的に不動産と金融が融合するのです。
よく話題に上る不動産の証券化は、まさに不動産と金融が融合した、不動産投資のための重要なツール(道具)として機能します。
このように不動産投資ビジネスでは、旧来からの不動産ビジネスとは、ある意味で違った発想とスキル(技術)が求められます。
さて、これら3つの類型からもわかるように、不動産市場が大きく変わるなかで成長している企業は、何らかの形で従来のビジネスモデルに変更を加えたり、あるいはそこから脱皮することによって環境適応を図っています。
その推進力となっているのが、エンドユーザーである顧客のニーズを的確につかむマーケテイングカであったり、ネットワークを生かした情報力であったり、日本で成長しつつある不動産投資市場をターゲットとする不動産投資ビジネスへの注力であったりするわけです。
いずれも、土地の保有や地価の上昇にこだわるのではなく、不動産ビジネスを通じて自ら付加価値を創造する点に特徴があるといえるでしょう。
本書で取り上げるのは、最も成長性が高く、すべての不動産ビジネスに今後とも大きな影響を与えると考えられる不動産投資ビジネスです。
本章では不動産投資ビジネスの具体的な内容に入る前に、まず不動産投資ビジネスが成長している背景やビジネスチャンス、並びに今後の見通しについて概観します。
ここではバブル崩壊後の十数年間で起きている不動産ビジネスを取り巻く環境変化について、 5点に絞って整理します。
不動産リスクの顕現化第1の変化は、土地神話(土地は価格が上がり続ける有利な資産であるという考え方)の崩壊に伴う不動産リスクの顕現化です。
本来は不動産を保有すれば、値下がりによって損失を被るリスクがありますし、建物を持っていれば、地震や火災などによって崩壊してしまうリスクもあるはずです。
また、賃貸アパート経営などの不動産事業をしようとすれば、当然ながら事業リスクがあります。
ところが、これまではこのようなリスクがあって、万が一それが現実のものとなっても、土地の価格が大幅に上昇していたため、これらの損失をある程度までは吸収することが可能でした。
値上がりした土地を売却すれば(実際には売却しなくても土地の値上がり益を計算すれば同じことになります)、大抵の損失は穴埋めできたからです。
もちろんリスクが顕現化しなければ、不動産の購入者は地価上昇によって大きな利益を得られたわけですし、このようなケースの方が圧倒的に多かったのはいうまでもありません。
恒常的な地価上昇が、不動産リスクを隠してきたといえるでしょう。
しかし、現在では土地神話の崩壊によって、これまで隠れていた不動産リスクが顕現化するようになりました。
会計ビッグバン(会計制度の大幅な見直し)によって、企業の抱える不動産の含み損(例えば時価50億円、簿価100億円の不動産は50億円の含み損となります)の一部を強制的に損失処理しなくてはならなくなったことも、不動産リスクを強く認識させる要因となりました。
利用価値による不動産評価の普及第2の変化は、不動産が利用価値によって判断されるようになったことです。
土地神話が生きていて、毎年、不動産価格が大きく上昇するのであれば、利用価値にこだわる必要はあまりありません。
仮に、ある土地(時価1億円)にアパートを建設(建設費5000万円)すれば年間500万円の利益を得られる見込みがあるとしましょう。
逆からいえば、年間500万円の利益を得るためには、建設費の5000万円をどこかから調達してこなくてはならないし、この事業が失敗するリスクを取らねばなりません。
一方、地価の上昇率が年間8%であれば、土地の所有者は何もしなくても1年間で800万円の利益を得ることができます。
そうであれば、土地の所有者はあえて何もせずに、更地で持ち続けた方が得だと考えるでしょう。
建物を建築してしまうと、土地を売るときに、更地価格から建物の取り壊し費用をマイナスした価格でしか売れなくなる恐れがあるからです。
このように土地神話が生きているときには、不動産の利用価値が軽視される傾向が生じるのです。
しかし、地価が上昇することもあれば、下落することもある今日では、地価上昇に過大な期待をかけることはできなくなりました。
土地を持っているだけでは何の利益も生まないかもしれません。
そこで、土地をどのように活用して利益を上げていくかが、重要なテーマとなってきたのです。
実際、オフィスビルなどを建設できる商業地の地価は、上昇するところもあれば下落するところも生じており、利用価値に応じて地価の二極分化が進んでいます。
不動産の市場化と不動産ビジネスの競争激化第3の変化は、不動産の市場化が進展し、そのことが不動産ビジネスに本格的な競争をもたらしているということです。
不動産の売買、賃貸借といった取引は、これまでは原則として売買あるいは不動産描壇只ビジネスの時代は賃貸借の当事者だけがその取引内容(売買金額、賃料、賃貸期間、管理費用など)を知り、外部の第三者がその内容を知ることはありませんでした。
不動産ビジネスを本業とする者でなければ、それほど多くの不動産取引にかかわることはありません。

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